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ベアトリーゼ・テルラ
称号 綺光の聖姫
所属 ルクス=テルラ王国
異界 リベラ=ドミニア(現実が幻想に侵食される異界)
発言 「必ず取り戻す!」
「リベラ=ドミニア」――現実が幻想に侵食される異界。
その異界では、人ならざる異形の者たちが統べる大国「ファナトール帝国」が、 地上の覇権を取るべく人間たちの国々を侵略し、燎原の火のごとく諸国と人々を支配していった。
そして帝国は、次なる侵略の地を「ルクス=テルラ王国」に定めた。

ルクス=テルラ王国の王女ベアトリーゼ・テルラには、かつて王国の始祖が、その力を以て国を興したとされる“光の力”――「綺光」が宿っていた。騎士の甲冑と剣を携え、聖なる光を操り、奇跡を具現化する王女の存在は、民から「聖女騎士」の名で敬愛されていた。帝国にとって、このベアトリーゼこそが王国侵略における最大の障害だった。
そこで帝国は、ベアトリーゼが外遊中の隙を狙って、王国への侵略作戦を計画した。
かねてより王国内に密偵を送り、侵攻の準備を進めていた帝国は、一気呵成に武力制圧を決行する。
数日後、帝国の侵攻の報せを受けたベアトリーゼが急ぎ駆けつけるが、時すでに遅く、彼女は祖国と、王である父と、その后である母を一度に失ったのだった。
「卑劣な帝国め……! 今ここで討ち取ってくれる!」
ベアトリーゼは剣を抜き、怒りに任せて黒煙の上がる王城へ駆け走るが、それを腹心の護衛騎士エルトが諌める。
「姫様、なりません! あの大軍を相手に綺光を使えば、御身が無事では済みません!」
そう、奇跡の代償とでも言うのだろうか――綺光の力は行使すればするほど、ベアトリーゼの命を削るのだ。
「陛下亡き今、あなたまで倒れてはルクス=テルラに未来はありません! ここは退き、反撃の準備を整えましょう!」
「……おのれ、帝国……次に相まみえた時は、必ず……!」
信頼するエルトの忠言に従い、彼女は後ろ髪を引かれる思いで祖国を後にした。
しかし、撤退する二人を帝国兵が発見したため、彼女たちは早々に帝国の追撃を受けることとなってしまう。

追っ手から逃れるべく、陽の差さぬ深い森を駆け抜けるベアトリーゼとエルトであったが……。
「くうっ!」
いずこかより放たれた矢がエルトの足に深々と突き刺さり、彼女は地面に倒れ伏してしまう。
「エルト!」
矢傷を受けたエルトを庇い、ベアトリーゼは剣を抜き周囲を警戒した。すでに森の中は濃い殺気が満ちており、彼女たちが囲まれていることがわかる。
「姫様、このままではあなたも……私を捨ててお逃げください……!」
エルトの悲痛な声が、ベアトリーゼの心を揺らす。だが、彼女は決意を瞳に込めて足を踏み鳴らした。
「……私はもう誰かをあきらめたりしない。二人で生き延びて、必ず祖国を取り戻す! そして……」
ギリリ、と一斉に弓を引き絞る音が聞こえ、ベアトリーゼの精神が限界まで張り詰める。
「この命を賭して、帝国を討ち滅ぼしてみせる!」

瞬間、<光>が爆ぜた。

ベアトリーゼの身体から溢れんばかりに解き放たれた光の奔流。
やがれそれらは、彼女の剣へと流れるように収束する。
「光の彼方に……消え去れ!」
裂帛の気合いと共に、ベアトリーゼは神々しい輝きを放つ剣を横薙ぎに一閃した!
光は極大の剣閃となり、周囲の木々を巻き込んで追っ手を焼き払う! ――その剣閃は、帝国兵たちに叫び声すら上げる暇も与えず、光の彼方へ消し去った。
これが「綺光」。
ルクス=テルラの王家の中でも選ばれた者のみが行使できる奇跡の力である。
「ううっ! ……はあ……はあ……!」
全精力を一気に消耗した苦痛に、彼女は思わず膝をつき、額に汗をにじませる。
「……私は帝国を許さない。絶対に国を取り戻すんだ……必ず……!」
ベアトリーゼは息も絶え絶えに立ち上がると、傷を負ったエルトに肩を貸し、その場を後にした。

その日、ベアトリーゼは、悲壮な覚悟を胸に、茨の道へと踏み出したのだった。
亡国の王女は戦い続ける。
祖国を取り戻し、帝国の魔手から世界を救う、その時まで――。