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エリーゼ・ハナエ
称号 マジカルアイドル
所属 不明
異界 不明
発言 「これからも一緒にがんばろうね」
「はぁ……今日もダメだった……」
薄暗い曇天の下、アイドルを夢見るエリーゼ・ハナエは、先日受けたオーディションの落選通知を見ながら、ひどく落ち込んでいた。最近ずっとこんな調子で、度重なる挫折にエリーゼは心が折れそうになる。
「もう、諦めようかな、アイドル……あれ?」
ふと視界に、キラリと光る何かが見え、何気なく彼女はそこへと近づいた。
「なんだろう、とっても綺麗な石……落し物かな?」
拾い上げたのは、道端に不釣り合いな青く輝く石。エリーゼがその石をのぞき込むと……。
「え!? な、なに?」
石は、突然目も眩むような光を一瞬だけ放ち、エリーゼは思わず目を閉じてしまう。
彼女が恐る恐る目を開けると、そこには――!
「あたしはハモニー! やっと見つけてくれたわね!」
なんと、人語を話す見たこともない動物が浮いていたのだった!
「今日からあんたは、マジカルアイドルになるのよ! そこんとこよろしくね!」
「え……ええええええ!?」

ひとまずハモニーを自宅に連れ帰ったエリーゼ。するとハモニーは、まくしたてるように事情を説明する。
「この青い石は、あたしの魔力の源なの。でも魔力がもう残りわずかになってて……このままじゃあたし消えちゃうの! だから協力して!」
「でも私、どうすれば……」
ハモニーは、自分の魔力が人間の「喜」「愛」「楽」といったポジティブな感情を糧としていることを説明した。
「難しいことはこの際どうでもいいわ! とにかくアイドル活動でどんどんファンを増やせば、自然に魔力が溜まっていくの。簡単でしょ?」
「そ、そんなの無理だよ……私、まだデビューだってしてないし……」
「これからデビューすればいいのよ! アイドルになるって決めたんでしょ? だったらあとは突っ走るだけよ!」
その一言が、落ち込んでいたエリーゼの心を揺さぶる。
「アイドル……うん、私、アイドルになりくてここまできた……だから……」
ハモニーの言葉で、忘れかけた夢を思い出したエリーゼは、
(もう一度だけ……頑張ってみようかな)
このハモニーと共に、アイドルの道を再び志すことを決意したのだった。

ハモニーは、エリーゼにマジカルアイドルの魔法をいくつか教えた。
マジカルアイドルのコスチュームに変身するお決まりの魔法にはじまり、ファンたちの振るペンライトから魔法の虹を出す魔法、バックダンサーの幻影を召喚する魔法など、会場を盛り上げる様々な魔法をエリーゼは会得した。
ようやく希望を見出だした彼女は、自分の手で夢を掴もうとこれまで以上にレッスンに打ち込み――ついにアイドルデビューを果たしたのだった。ハモニーもまた、彼女のスケジュール管理から悩みごとの相談にいたるまで、公私ともに彼女を影ながらサポートした。
こうしてエリーゼとハモニーは、「マジカルアイドル・エリーゼ」としてアイドル界を席巻したのだった。

そして訪れた、アイドル史上最大規模のスーパーライブ。
世界中のエリーゼのファン――その数なんと3300万人! ――が、彼女の歌を今か今かと待ちわびる。
エリーゼのおかげで魔力をすっかり取り戻したハモニーは、ステージ袖に待機している彼女を激励する。
「あたしたちの戦いはこれからよ! マジカルアイドルの道に終わりなんてないんだから!」
「うん! これからも一緒にがんばろうね、ハモニー!」
全ての始まりだったあの日、ハモニーと出会い、アイドルの夢をあきらめなかったことで彼女の運命は劇的に変わった。
エリーゼは、首に下げた青い石を指で撫でながら、マジカルアイドル・エリーゼとして3300万人のファンたちの前に降り立った――。