クロム・マグナ魔道学園



キャラ紹介
キャラ名 イツキ・マスグレイヴ
称号 流剣副会長
所属 クロム・マグナ魔道学園
発言 「さーて!そろそろ本気でいきますか!」
キャラ名 ニコラ・モーガン
称号 雷弓会計係
所属 クロム・マグナ魔道学園
発言 「アタシだって、やればできるんだから!」
キャラ名 リンカ・ワイアット
称号 焔刀生徒会長
所属 クロム・マグナ魔道学園
発言 「私の実力見せてあげる…覚悟して」
キャラ名 ヴォルフ・ロイ
称号 獣使い書記
所属 クロム・マグナ魔道学園
発言 「あ?勝つに決まってんだろ」
キャラ名 シャーリー・コルト
称号 発明家書記
所属 クロム・マグナ魔道学園
発言 「わーい!どうコレ、強そうでしょ?」
キャラ名 ダンケル・アダムス
称号 覇帝学園長
所属 クロム・マグナ魔道学園
発言 「やめておけ君に勝ち目は無い」

序章
鋼鉄の剣と魔法によって支配されし、さる異界——
数多くの優秀な魔道士たちを輩出し、古からの由緒ある歴史を持つ名門「クロム・マグナ魔道学園」。

永世中立都市に設立され、国籍・人種・性別・年齢問わず幅広く門戸を開くその場所では、世界中から才ある若者たちが集い、剣や魔法の腕を磨き続けている。
卒業し、故郷へ戻れば敵国同士であろうとも、学園でのひとときだけは同じ志を持つ友人、仲間。
争いの絶えぬその世界で、学生たちは複雑な思いを胸に秘めながらも、日々勉学・鍛錬に励んでいる。

そんな「クロム・マグナ魔道学園」は創立100周年を迎え、盛大な式典が学園祭と共に催されていた。
節目の時を一目見ようと各国から卒業生や来賓が集い、学園祭実行委員会——生徒会執行部のメンバーたちは忙しくも充実の時を過ごしていた。

炎の魔法を専門に学ぶ「イグニーマ」主席、学園の誰もが認める生徒会長——リンカ・ワイアット。
地方農村の出身ながら独学で魔法を習得、最優秀クラス「グリングラード」に所属する副会長——イツキ・マスグレイヴ。
落ちこぼれ寸前だったもののイツキに憧れ一念発起、「グリングラード」入りを果たした会計——ニコラ・モーガン。
10歳にして才覚を発揮、雷魔法を専門に学ぶ「エクレアル」に所属し、鋼鉄と魔法を使った発明をこよなく愛する書記——シャーリー・コルト。
「イグニーマ」所属、人付き合いを極端に嫌いながらも、ある目的のため生徒会入りした異色の書記——ヴォルフ・ロイ。

長い、長い準備期間を経てようやく迎えた記念すべき日。
誰もが祭りの雰囲気に酔いしれ、華やかな雰囲気に包まれていたそのときに、事件は起きた。

学園上空に突如開いた“異界の扉”、あらゆるものを飲み込む巨大な空間の亀裂。
魔道士たちの張った防御陣はあっさり破られ、逃げようにも学園の周囲には結界がはられ脱出もかなわず、ただ扉に飲み込まれるのを黙って待つのみ。

永遠とも一瞬ともつかない時空の旅路の果て、やがて嵐が収まったとき、クロム・マグナ魔道学園には、生徒会のメンバーだけが取り残されていた。

弾き飛ばされた世界の名は、クエス=アリアス。
途方に暮れる少年/少女は、そこで黒猫を連れた一人の魔法使いと巡り会う——

第一章 イツキ・マスグレイヴ
体が暗闇の中に浮き、空間の感覚が完全に失われている。
どちらが上でどちらが下か、移動している感覚はあるのに向かっている方角がわからない。

——次の瞬間、不意に全身に重力を感じ、皮膚にまとわりつく冷たく重い感覚が現れる。
呼吸しようと息を吸い込み、そして気づく。
ここは……水の中!?

薄れて行く意識の中で、イツキの脳裏に記憶が浮かぶ。
華やかな学園祭、巨大な空間の亀裂、飛び散る瓦礫、叫ぶ群衆。
そして、彼女の……リンカの悲哀の表情。
白くほっそりとした指先を懸命に広げ、こちらに手を差し伸べている。

「わりぃ。リンカ、みんな、どうか無事で……」

意識が戻ったとき、イツキは水辺に打ち上げられている。
岸へ上がり振り返る。
滝壷? ……見覚えのない場所だ。

イツキがずぶ濡れになった制服を乾かしていると、川下から黒い猫を連れた一人の魔法使いが歩いてくる。
手には見覚えのある腕章……リンカが付けていたものだ。

「あんたは、一体?」

そして物語は動き出す。

第二章 ニコラ・モーガン
一瞬の出来事だった。
学園の上空を覆った大きな亀裂、吸い込まれていく人々や校舎……

イツキ君が闇へ飲まれてしまったとき、私は自分の身を守ることで精一杯だった。
私だけじゃない。誰もが状況を理解できなくて、混乱して、ただただ嵐が過ぎ去るのを待っているだけだった。

でもあの子は。リンカは、違った。
イツキ君を繋ぎとめようと、必死に空に手を伸ばした。
私は、そんな二人の様子を、ただ見ていることしかできなかった。

気づいたとき、私は学園祭の式典会場にいた。
瓦礫が散乱するステージで、いつも気丈で冷静なリンカがうなだれている。
他には……誰もいない。学園の友達も、生徒会のメンバーも、憧れの人も。

悔しさ、情けなさ、そしてあの人が居なくなってしまった悲しさ。
様々な感情が渦巻く中で、アタシはリンカにこう投げかけた。

「行こうよ。みんなを助けるの」

”みんな”。便利な言葉だなって私は思う。
でも、リンカは黙りこくったまま、私の方を振り返りもしない。

抜け殻のように天を仰ぐリンカを置いて、明かりの消えた学園の校舎内へと踏み入れる。

”異界の扉”が開かれた影響なのか、学園内には異様な雰囲気が漂い、重苦しい。
奇妙な魔物たちの強襲に弓を引き、戦って、傷ついて。
それでも、みんなを……イツキ君を救うため、走り続けた。

私たちの他に誰もいない空っぽの学園を走りまわって、どれだけの魔物を倒しただろう。
やがて魔力と体力が底をつき、私は膝から崩れ落ちる。

すぐそばに、魔物の気配を感じる。
ここまでなのかなぁ……どこかにいる、憧れの人を思い浮かべる。
力が入らず意識が徐々に遠のいていく。

「……ん……あったかい……」

ゆっくりと見上げると、そこにはリンカが居た。
リンカの刀に纏う気高き炎は、未来を照らす希望の光のように見えた。

思わず、私はリンカに抱きつく。
心強い仲間の登場に心から安堵する。

でも、その時はまだ気づいていなかった。
リンカの背後に、不穏な気配が忍び寄っていることに……

第三章 リンカ・ワイアット
学園祭の崩壊、”異界の扉”開放による惨劇、イツキという大切なメンバーの犠牲……
全身の力が抜けていく。涙で世界がぼやけて映る。

「行こうよ。みんなを助けるの」

誰かが私に語りかけている——ような気がする。
ちょっと待って。今の私は何かを考える余裕がないの。

イツキと共に生徒会を築き上げてきた日々がまぶたの裏に映っては消える。
一瞬で、何もかもが、失われてしまった……

どれほどそうしていただろう。
不意に熱情が胸を突き、傍らの紅刀が炎を吹き上げる。

私は……何をすべき?
私は……私は……私は……
私は、クロム・マグナ魔道学園 生徒会会長 リンカ・ワイアット。

「ごめん、みんな……今、行くから!」

今は、学園に残っている生徒会のメンバーを探し出し、この事件を解決すること。
リンカは愛刀を手に、闇に包まれた校舎へ突入する。

想像を超える魔物が蔓延る校舎。容赦なく浴びせられる攻撃。
全身に傷を負いながらも、紅く燃え上がる刀を振り前へ、ひたすら前へ。

やがて——仄暗い回廊の向こうに、魔物に囲まれている少女を見つけ出す。
あれは……ニコラ!?
急いで駆け寄り、異形の者と対峙する。

「……灰となれ、化け物ッ!」

炎刃一閃、リンカの斬撃が宙を舞う。
剣戟鳴り響く激しい戦闘の最中、リンカは狼の遠吠えを耳にする。

第四章 ヴォルフ・ロイ
——リンカ、イツキ、ニコラの3人とは別の場所、生徒会室に書記の二人『ヴォルフ』と『シャーリー』は居た。

学園で巻き起こっている混乱の中、ヴォルフはシャーリーの傍に居た。
窓ガラスは割れ、棚上にある物は落下し、机や椅子は散乱する。
自分の腕の中でうずくまるシャーリーの声色が震えている。

「ヴォルフ先輩、怖いよぅ……」

落下物が背中を打つ痛みに耐えながら、無理に笑顔を作って見せた。
こんな時にも関わらず、生徒会に入ってから笑ったのは、これが初めてだった……

混乱が収まり、妙な静寂が辺りを包んでいる。
窓から外の様子を伺おうと、シャーリーから目を離したその時。
叫び声が響き、振り返ったその刹那、何かの衝撃とともに体が宙に浮いた。

——意識が朦朧としている、何も感覚が無い……まだ宙に浮いてるのか?
息苦しさを感じて目を開けると、相棒の狼『フレキ』が心配そうに自分の顔を舐めている。
どうやら窓から落下したらしい。
意識が戻ると、左腕に激痛が走る……やっちまったか……

しかし今は、左腕がどうなっているかよりも、シャーリーのことが頭を過る。
決断は一瞬だった。

「仕方ねぇな……」

折れた左腕を庇いながら、先の見えない闇の広がる学園内へ駆け出す。
恐怖心、不安、アイツを助けてやれなかった後悔。
一体この学園に何が起きているかは分からないが……とにかく俺がシャーリーを守る。

学園内を進んでいるうちにフレキが何かを訴えるように、飛び回り、吠えている。
その方向には、異様な雰囲気の漂う巨大な扉。
俺の名を呼ぶ声が近づいてくる……リンカとニコラだった。
傷だらけの仲間たち、再会の喜び、溢れる想いを噛み殺して尋ねた。

「アイツ……シャーリーがどこにいるか、知らないか?」

リンカたちは首を横に振る。
ただ全員が、目の前にある巨大な扉の先に何かがあることを感じていた。

そして今、その扉が開かれる……

第五章 シャーリー・コルト
学園の空に大きな黒い空間の穴……異界の扉が開いたとき、わたしとヴォルフ先輩は生徒会室にいた。
あまりに現実離れした光景に、わたしは思わずヴォルフ先輩の袖を引く。
先輩はわたしの方を見ると、微笑んでくれた……何だか、いつもより、やさしい。

でも、そんな平穏な時間はあっという間に消えてしまった。
背後から強い衝撃を感じるのと同時に、先輩が宙に浮き、窓の外へ落ちていく。

目の前に現れたのは、黒い影のような「何か」。

これまで感じたことのない怒りが涌き上がってくる。
素早く床に落ちていた愛用の銃器に手をかけて、がむしゃらに引き金を引いた。

目にも止まらない早さで生徒会室から出て行く黒い影。
無我夢中で追いかける……周りは見えてなかった。
許せない……ゼッタイに許せない!

——黒い影を追ってたどり着いたのは、学園で最も高い塔の最上階。
そこに居たのは……ダンケル学園長?
普段の学園長とは違う雰囲気な気が……
目が合った瞬間、急に身動きがとれなくなり、息が苦しくなる。

「く、苦しい……助け、て。」

諦めかけたその時、聞き覚えのある声とともに苦しさから開放され、地面に倒れる。

「おい、大丈夫か?」

見上げるとイツキ先輩と、隣には初めて見る人(魔法使い?)とかわいい黒猫さんがいた。
ほっとしたのも束の間、慌ててイツキ先輩に伝える。

「ヴォルフ、先輩が……」

涙が出そうになったとき、入口の大きな扉がゆっくりと開く。
傷だらけのヴォルフ先輩と生徒会のみんなが駆けてくる。
思わず、ヴォルフ先輩に飛びついた。
みんなも……よかった……
またみんなに出会えたこと、無事でいたことの喜び、それはみんなが感じていた。

生徒会メンバーが集まり、希望の光が見えたけど、その光を覆い隠すように学園長が近づいてくる。

どうして?
全員の頭に疑問と戸惑いが駆け巡る。
一つ明らかなのは、かつての学園長の面影はなく、わたしたちに敵意の眼差しを向けているということ……

この学園の未来をかけた戦いが、今始まろうとしていた。

第六章 ダンケル・アダムス
――学園に”異界の扉”が開かれる数時間前。

記念すべき創立100周年の式典に備え、私は衣装の着付けを行っていた。
その時すでに、私は学園内の異変を誰よりも先に察知していた。

学園のシンボルでもある塔――『マグニフィカト・ケイオス』。
その塔の最上階には、強大な魔力が集約されている。
奇妙な感覚を胸に塔の最上階に駆けつけると、フードに身を隠した何者かが唱えているのは……
あれは禁じられた秘奥の”異界との境界を開く”呪文!?

「何者かは知らないが、今すぐその詠唱を止めて貰おうか」

謎の魔道士の力が驚異的であることは、戦う前から知り得ている。
しかし、学園の長として覚悟を決めた。

互いに全力を込めた攻撃の応酬。
……長時間に及ぶ激闘の末、私は志半ばで力尽きる。

自らの体は闇にのみ込まれ、徐々に自分ではない”ダンケル・アダムス”が形成されていく。
頭に激痛が走り、体の自由が利かず、次第に視界が闇に染まりゆく。

「ワ、ワタシニハ ガクエンヲ マモルコトガ デキナカッタ……」

そして、クロム・マグナ魔道学園に”異界の扉”が開かれた。

空間に現れる巨大な亀裂、その亀裂の闇にのみ込まれる人々、瓦礫と化す学園祭の華やかな装飾の数々……
その惨惨たる光景を窓から悠然と眺める。
怒りと悲しみ? もはやそんな感情は生まれなかった。

「ハーッハッハッハッハァ!」

身体中から沸き上がる”これまで感じた事の無い強大な力”。
先程まで私を苦しめていた闇の力でさえも、今はワタシの思うままに振るうことが出来る。

いつの間にか異界の扉は閉じられ、”フードに身を隠した何者”かの姿も消えていた。
しかしどちらも今のワタシにはどうでも良い話。
今はこの身体中から沸き上がる力と、頭の中を支配する凶暴な衝動に身を委ねていたい。

――しばらくすると、生徒会の面々が続々とマグニフィカト・ケイオスの最上階へと現れる。
皆一様に信じられないといった面持ちでワタシの真意を問おうとするが、
明確な殺意と共に放たれる闇の力を受けて、彼らの顔がワタシとの戦いを決意したように変化する。

闇を纏った身体から流れる衝動は確かに彼らの死を望んでいるというのに、
どこか遠い所に残る感情……心の残滓は「学園を救おうとする彼ら」に倒される事を願っていた。

皮肉にもそんな状況の中で”私ではないワタシ”は、涙を流し笑顔を浮かべていた。

終章
”異界の扉”の開放によって漆黒の闇が覆う荒廃の地と化してしまったクロム・マグナ魔道学園ーー
生徒会執行部と黒猫を連れた一人の魔法使い、強大な”敵”である学園長 ダンケル・アダムスが繰り広げる戦いは決着を迎えようとしていた。

自分を犠牲にしてでも、生徒会の仲間たちを守り抜くという使命感で流剣を振るった、生徒会副会長イツキ。
大好きな人のため、大好きな学園のために傷だらけの体に鞭を打って弓を引き続けた、生徒会会計ニコラ。
”仲間”という大切なモノを与えてくれた生徒会メンバーに恩を返すため、相棒たちと果敢に敵に立ち向かった、生徒会書記ヴォルフ。
学園祭を台無しにされ、大切な人たちを傷つけられたことによる純粋な怒りで銃器の引き金を引いた、生徒会書記シャーリー。

生徒会の代表として、学園の未来を救わなくていけないという強い責任感で焔刀を握った、生徒会会長リンカ。

生徒会メンバーの強い想いが宿る魔法の力と、共闘する魔法使いの渾身の一撃が強大な闇の力をかき消した。
若き学園の精鋭たちは、幾多の苦難を乗り越え、ついに学園の平和と未来を取り戻すことができたのだ。

闇の支配から解き放たれ、自我を取り戻した学園長ダンケル。
そして、底を着きかけた魔力を振り絞って唱えられた詠唱によって再び開かれる"異界の扉”。
それは…イツキ達にとって元の世界でもある”鋼鉄の剣と魔法に支配されし異界”へと続く扉だった。

学園を襲った未曾有の大事件を共に戦った"魔法使いと黒猫"との別れの時。
共に戦い、学園の危機を救ってくれた感謝の気持ちと再会の誓いを告げ、生徒会執行部の面々とダンケルは元の世界へと還っていく。

元の世界には、事件があった際に行方不明になった多くの人たちの姿。
どうやら「彼らが行方不明になった」のでは無く、行方不明になっていたのは自分の方だったという事に気がつき、
生徒会執行部の面々は改めて無事に戻ってこれたことの喜びを分かち合う。
そんな光景を見つめる学園長の目には涙が……そして改めて思うのだった、我が生徒たちこそがこの学園の”誇り”だと。

学園長がふと空を見上げると……? 一枚の紙切れがひらひらと舞い降りてくる。
その不思議な力を感じる紙切れを手に取ると微笑み、閉まりかける”異界の扉”へと放り投げる。

ーーその頃、クエス・アリアスでは君と黒猫”ウィズ”が次の目的地に向けて歩みを進めようとしていた。
……? ウィズが何かをくわえている。
君はそれを手に取ると思わず笑みがこぼれ、大事そうに懐へしまった。

クロム・マグナ魔道学園の平和と発展を願いながら、ウィズたちは再び永き冒険の道のりへと駆け出した。